日本のIT産業が作り出した、世界に類を見ないユニークなエコシステム(生態系)のこと。ユーザー企業からシステム開発案件を直接受注する大手SIer(エスアイアー)を頂点とし、その開発の一部を受注する下請け会社、さらにその一部を受注する孫請け会社といった多重下請け構造のピラミッドから成る。

 ユーザー企業からシステム開発を受注するITベンダーは、米国などにも存在する。ただ日本では、ユーザー企業がシステムを自ら開発することは稀で、パッケージソフトを利用する際もSIerにカスタマイズを依頼するケースが多いため、日本において独自進化して一大産業として繁栄した。ちなみに「SIer」も、他国では通用しない和製英語だ。