カスタマー・エクスペリエンスを高める第一歩は、自社の弱点を探ることから始まる。自社の商品・サービスの提供方法で足りない点はどこか。それは顧客が、「不安」「不満」「不便」を感じるところにある。解決策を導き出せば、弱さは強さに変わる。今回は「不安」に注目し、トリンプ・インターナショナル・ジャパンとコヤマドライビングスクールを取り上げる。
事例1:トリンプ・インターナショナル・ジャパン
身体に直接触れる下着の試着はデリケートなもの。自分に合う商品を選ぶのは意外と難しい。かといって、何度も試着するのは、なんとなく気が引ける。店員の助言も人によって差があって迷ってしまう。
誰もが抱くこんな不安を真正面からとらえ、対策を導いたのがトリンプ・インターナショナル・ジャパンだ。なんとiPadを活用するという画期的なものである(図1)。
トリンプは、百貨店や直営店など100店舗に、体型診断や下着のフィッティングのチェックができる独自アプリを搭載したiPadを導入。アドバイザーはiPadでバーチャル試着をすすめ、下着選びに不安を抱く顧客をコンサルティングする。下着業界では初の試みだ。