平野所長(以下平野):これは、ひどすぎる……。

直井研究員(以下直井):どうしたんですか? 所長?

平野:私の元に、○○会社の野田さんという方から、メールで直接、取材の依頼が来たのだが、ちょっとね……。

直井:??

平野:依頼メールの宛名に書いてある、私の名前が間違っていたんだよ。

直井:あちゃー。「平野友朗」と書くところを「平野友郎」と書いてあったんですか?

平野:いや。それどころじゃないんだ。私の名前はどこにもない。

直井:え?

平野:宛名に「荒木様」って書いてあって。本文中にも「荒木様」という言葉を見つけた。

直井:いつから所長は荒木さんになったんですか?

平野:違うよ。一度送ったメールを使って、名前を書き換え忘れたんだろうね。

直井:ありがちなミスですが、相手に対する失礼の度合いが高いので、リスクが高いですね。名前の間違いには細心の注意が必要ですね。

平野:しかも、誤字や脱字も多いメールでね。文脈がおかしくて、助詞の使い方が間違っているし、敬語もおかしい。文章が分かりにくくて読みづらく、話がまったく分からなかった。

直井:それはちょっと……。

平野:私も気になってね。それで、返信メールを送った。内容は、取材を受けるかどうか検討するために必要なことを確認したい、というものなんだけど、その中で、名前が間違っていることなどについても、やんわりと指摘したんだ。

直井:どうでしたか?