新人営業のD太君と先輩SEのM子さんの今日の訪問先は、中堅オフィス用品販売のV社。以前納品したサーバーが更改時期を迎えたのを機に、情報システム課のI主任とSさんに新製品の案内に訪れたのですが、いつしか話はBYODに移行しました。新しい商談のチャンス到来か?

I主任 最近、「オフィスの外にいるときに、自分のスマートフォンを使って業務用のメールやスケジュールが見たいのだけど」いう声が社員から届くようになりました。いわゆるBYOD(Bring Your Own Device)を認めてほしいということですね。

M子 シャドーITという言葉をお聞きになったことは?

I主任 いえ、ありません。それは何のことですか?

D太 会社の承認なく、業務に利用されているITのことを指します。たとえば、ソーシャルメディアのグループ機能を使って取引先とミーティングに活用するといったケースも、IT部門が管理していなければシャドーITです。

I主任 会社が管理しないIT利用が増えると、情報漏洩のリスクが高まりますね。

M子 中でも、注意すべきシャドーITがスマートデバイスです。その一方で、スマートフォンやタブレットは、ビジネスパーソンに普及しています。スマートデバイスでメールやスケジュールを閲覧できるようになれば、メールやスケジュールの確認のためだけに帰社するといったことがなくなり、生産性が向上します。

D太 最近は、メールやスケジュールの確認だけでなく、顧客データベースや在庫データベースを参照できるようにするなど、スマートデバイスを業務システムの端末として用いるケースも増えつつあります。

Sさん その道具として、使い慣れた自分のスマホを利用したいと考えるのは自然なことですよね。

I主任 会社としても、会社の費用で端末を配布する代わりに社員の端末を業務に利用すれば、端末コストを負担しなくて済みます。これは、メリットとなるのでは?