ここは、都内某所にあるビジネスメール研究所。メールマナーのスペシャリストである平野所長は、世間で日々やり取りされる膨大なメールの分析に励んでいる。彼をサポートするのが、ちょっと辛口だが優秀な部下、直井研究員。分析対象のメールにあれこれあだ名を付けるのが、彼女の特技だ。
今日も2人は、ビジネスの現場でトラブルを引き起こしかねないメールを発見した――。
ここは、都内某所にあるビジネスメール研究所。メールマナーのスペシャリストである平野所長は、世間で日々やり取りされる膨大なメールの分析に励んでいる。彼をサポートするのが、ちょっと辛口だが優秀な部下、直井研究員。分析対象のメールにあれこれあだ名を付けるのが、彼女の特技だ。
今日も2人は、ビジネスの現場でトラブルを引き起こしかねないメールを発見した――。
直井研究員(以下、直井):所長、いきなりですが質問です。 平野所長(以下、平野):今日はクイズからスタートか。よし、臨むところだ。こう見えてもクイズには自信があるよ。 直井:「319」です。この数字は一体何でしょう?
直井研究員(以下、直井):所長~。おはようございます(^^)/ 平野所長(以下、平野):おはよう。直井さん(-_-) 直井:朝から元気がないですね。何かあったんですか?(^^;) 平野:昨日、階段から落ちちゃったんだよ。そして足が痛い(T_T) 直井:え!?それは大変です(>_<)
直井研究員(以下、直井):所長、イタチって詳しいですか? 平野所長(以下、平野):ん?まあ、イタチが動物であることは知っているけど、どうしたんだい? 直井:読者さんから「部下からイタチノサイゴッペみたいなメールが届く」というコメントをいただいたんです。 平野:あ~。なんとなく分かるよ。
直井研究員(以下、直井):う~ん。なんか違和感が。 平野所長(以下、平野):今日も何かお悩みかい? 直井:いろんな人のメールを読んでいると、漠然とした、しっくりしないことがあるんです。 平野:たとえば、どんなものがあるのかな? 直井:「違和感を感じる」とか「お体をご自愛ください」とかです。
直井研究員(以下、直井):あ!やられました、証拠隠滅です。 平野所長(以下、平野):何か処分されたの? 直井:私の発言を消されました。 平野:発言?メールの文章かな? 直井:そうなんです。う~ん……、この場合はどうしたらいいんでしょうか……。ショウコの証拠を隠滅するなんて……。
直井研究員(以下、直井):怖いです……。 平野所長(以下、平野):何が怖いの?まんじゅう?それとも幽霊? 直井:まんじゅう?まんじゅうがあれば食べますよ。 平野:じゃあ幽霊? 直井:違います! 平野:まったく、今日も冗談が通じない。
平野所長(以下、平野):直井さん、そういえばあの書類ってまだ出ていないよね? 直井研究員(以下、直井):あの書類って何でしょうか? 平野:経費精算の書類だよ。 直井:あ!あれはまだ出していません。もしかして急いでいますか?
直井研究員(以下、直井):所長~!長い~、長いのです! 平野所長(以下、平野):もう秋だもんね。秋の夜長とも言うし。 直井:違います!長いのはメールです。長いメールが届きました。 平野:長いメール!? 直井:これは頭を悩ませる事件です。
直井研究員(以下、直井):所長~。メールで相手によい印象を持ってもらうのって難しいですよね。 平野所長(以下、平野):そうかなぁ?そんなことないよ。 直井:あ!私はできるんです。ただ、説明するのが難しいなって思いまして。 平野:直井さんはどう説明したの?
直井研究員(以下、直井):所長~。ちょっと聞いてください。すごくビックリしたんです! 平野所長(以下、平野):目がらんらんだね。そんなにすごいことがあったのかい? 直井:昨日、ランチビュッフェに行ったんです!
直井研究員(以下、直井):所長~。質問で~す。質問の時間がやってきました!今から質問をするので3分以内に簡潔に回答してくださいね。 平野所長(以下、平野):突然だし、いつから3分ルールになったんだい? 直井:今日からです! 平野:まあ……よく分からないが。で、どんな質問がきたのかな?
直井研究員(以下、直井):所長~。毎日メールがたくさん届きます。メールの洪水です。なんでこんなに届くんでしょう。 平野所長(以下、平野):そりゃそうだよ。ビジネスメール研究所だからね。 直井:そうですけど、それでも多いんです。
直井研究員(以下、直井):所長~。ネットショップのメールって普通のビジネスメールと違いますか? 平野所長(以下、平野):いきなり抽象的な質問だね。 直井:ネットショップでメールでの顧客対応をしている方から、メールが苦手で悩んでいると相談を受けたんです。
直井研究員(以下、直井):所長~。また、所長の名前が間違っているメールが届いていますよ! 平野:まったく……。ここまで多いと仕方がないと思い始めるね。私の名前は「平野友朗」だ。このコラムで何度も書いているのに、相変わらずこのような間違いが絶えない。
直井研究員(以下、直井):所長~。所長はメールの返信をするのにどのくらい時間をかけていますか?3分くらいですか? 平野所長(以下、平野):ものにもよるよ。速いものならメールを読んで返事を書くのに、トータルで20秒から30秒程度ということも珍しくない。 直井:え!?
直井研究員(以下、直井):所長!不安です~。 平野所長(以下、平野):どうしたんだい?何が不安なのかな? 直井:パソコンの電源が入るか不安です。メールがちゃんと届くか不安です。メールの内容がちゃんと伝わるか不安です。ご飯がおいしく食べられるか不安です……。それから、それから……。
直井研究員(以下、直井):所長!返信遅れを解消する方法、続きの解説をお願いします! 平野所長(以下、平野):もちろんだ。直井さんはこの1週間、返信遅れはなかったかな? 直井:はい!……たぶん。あ、いや、ほぼ……。
直井研究員(以下、直井):所長~!もったいぶらないで教えてください! 平野所長(以下、平野):いきなりどうしたんだい?やけに鼻息が荒いね。 直井:前回、メールの返信が遅れる理由とその解決策を教えてもらいました。 平野:コラムの最後にまとめた表のことだね。
直井研究員(以下、直井):所長!また来ました!最近、多いですね。 平野所長(以下、平野):何が多いのかな?クラゲがたくさん発生したとか? 直井:違います!「ビジネスメール実態調査2016」への問い合わせです。 平野:いいね!どんな問い合わせが来ているのかな?
直井研究員(以下、直井):所長、ついに「ビジネスメール事件簿」が連載300回目を迎えました!そこで今回は「ビジネスメール実態調査2016」の結果をお届けします! 平野所長(以下、平野):そう言えば今年はまだ記事にしていなかったね。 直井:所長の怠慢です。