これまでの連載では、クラウドソーシングを活用することで、顔も見たことがない外国人と一緒に働き、新しいものを作り上げるという、今までなら考えられなかったようなことが可能になることをお伝えしてきました。

 ただし、当たり前のことですが、クラウドソーシングを利用するうえでどうしても避けて通れないのが、英語によるコミュニケーションです。残念なことに、日本人は先進国のなかでも(自他ともに認める)英語が不得意な国民です。日常会話でさえ困難なのに、英語での価格交渉やソフトウエア開発チームのマネジメントなんて、想像できないかもしれません。

 実際、僕ら自身、これまでのビジネス経験で(日本マイクロソフトに務めていたにもかかわらず)英語を必要としたことはほとんどなく、必要としないので、英語を学ぶために時間を割くこともあまりありませんでした。

 ところがインターネット上に忽然と姿を現したクラウドソーシングを目の当たりにした時、僕らは真剣に英語を身に付けるべきであると確信したのです。これは就職や昇級を有利にするための、資格としての英語ではありません。

 これまで実現不可能だったことを可能にするために必要な、コミュニケーションツールとしての英語です。そんなツールとしての英語をとにかく早く、一気に身に付けたいと思い、僕らが出かけた先がフィリピンでした。

 え?フィリピン?