従量制のIaaSは、工夫次第で利用料金を下げられる。(1)サーバーサイズを適宜調整、(2)使わないときは停止、(3)割引サービスの活用、の順に見ていこう。

 最初の工夫は、サーバーサイズの最適化を図ることだ。AWSのEC2は、CPUのコア数やメモリー容量などの組み合わせでメニュー化してある。ガリバーではEC2で新規システムを構築する場合、Windowsサーバーは「ミディアム」を、Linuxサーバーは「スモール」を、標準サイズと定め、「やってみて負荷が高ければ、開発中にスペックを上げて調整する」(月島氏)。稼働後も、「システムの負荷を把握し、サイズを下げられないかを常に検討する」(リクルートテクノロジーズ ITソリューション部の宮崎幸恵氏)ことが大切だ。

 使っていない時間帯はサーバーを止めて課金を避ける、これが二つ目の工夫だ。例えば、ドルフィネットと呼ぶ営業支援システムをAWS上に構築したガリバーでは、夜間8時間はサーバーを停止している。

割引サービスを積極活用

 最後の工夫は、割引サービスの活用だ。IaaSの多くは、「いつでもやめられる」契約のほか、「一定の利用期間の縛りがある」契約を用意しており、後者に割引料金を適用している。長期利用が前提の業務システムでは、割引の活用によりコスト削減が見込める。

 AWSには利用メニューが3種類ある。(1)オンデマンドインスタンスは、初期費用なしで時間課金で支払う、デフォルトのサービスだ。(2)リザーブドインスタンスは、1年間または3年間の予約金を支払うことで、時間課金の単価が安くなる。(3)スポットインスタンスは、需給関係でリアルタイムに変動する「スポット価格」が適用される。