2013年秋に一斉にリリースされた「iOS 7」や「Windows 8.1」、「Android 4.4」。タブレット活用を進めるこれら最新OSは、企業利用向けの機能を大幅に拡充している。一般ユーザー向け機能の陰に隠れがちだが、特に進化を遂げているiOS 7とWindows 8.1についてポイントを見ていこう。

iOS 7
標準でMAM機能を搭載

 iOSは2010年6月にリリースされた「iOS 4.0」でモバイルデバイス管理(MDM)の仕組みを導入して以来、企業向けの機能を拡充してきたが、今回のiOS 7の企業向け機能の強化は「過去最大と言えるほどのインパクトがある」(iOSの動向に詳しいMDMベンダーのアイキューブドシステムズマーケティング本部の山崎隆弘課長)。

キッティング不要に

 ユーザー企業にとっての大きな強化点は主に4点ある(図9)。一つめが、従来のような企業導入向けのキッティング(設定作業)が不要になること。アップルが「Streamlined Enrollment Service(効率化された登録サービス)」という仕組みを導入する模様だ。これを用いると、従来、キッティング事業者などが端末に対し1台ずつ手作業で行っていたパスコードの設定やApple IDの登録、MDMへの登録などをオンライン上で済ませられる。詳細は明らかになっていないが、購入した端末のIDなどを同サービスに登録しておくと、従業員が端末を受け取って起動した際の最初のアクティベーション時に、MDMサーバーへの登録画面が自動的に現れるようになるようだ。

図9●iOS 7での企業利用向けの主な機能強化点
図9●iOS 7での企業利用向けの主な機能強化点
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