最近、若いビジネスマンの議論に参加する機会がありました。そもそも論として「ドメスティック人材」と「グローバル人材」の定義、違いってなんなんだろう、というテーマです。

 さらに、「グローバル人材」と「グローバルリーダー」の違いは何なのか。単にグローバル人材の中のリーダーがグローバルリーダーなのか。定義に曖昧なところがありそうです。

 企業としては、ドメスティックでもグローバルでも、どんな国でもポジションでも環境でも「使える」スーパースター的な人材が欲しいというのがホンネであることは、前回に書いた通りです。しかしながら、現実的には、最初からそのような能力を発揮できる人材は、稀でしょう。自分自身が意識的に成長していこうとする意欲と、そのような環境をサポートしていく企業側の姿勢がなければ、難しいことは言うまでもありません。

 個人の側からすれば、自分自身がグローバルで使える人材だと認識した時点で、いくつかの選択肢がでてきます。例えば、その企業の中でキャリアを積んでいくのか、世界のグローバル企業で働くことにチャレンジするのか、それとも、起業して自分自身を試してみるのか──などです。以下、会話形式で議論を再現してみます。

そもそもグローバル人材ってどんな人?

A グローバル人材というキーワードが最近よく登場するけれど、雰囲気が先行していて、なんだか企業や個人によってその意味にばらつきがあるようだね。どういうふうにとらえている?

B そうだね。一番単純なところからいくと、英語ができるからグローバル人材で、できないからドメスティック。後者はまず英語を勉強してから、という雰囲気は確かにあるね

C そうなんだよね。グローバル人材 = 英語要員みたいな。それは正確には違うだろうとは思っていても、現実問題として英語ができないとコミュニケーションがとれないという面はあるからね。

D 企業側のやろうとしているグローバル人材育成も、やはり優先順位としては、英語のレベルアップが第一になっているようだね。だから、英語教育費補助とかTOEIC800点で報奨金とかのプログラムが出てくるわけで。

 英語の下手な日本人同士で英語でミーティングをやって、英語に慣れろとか。効率は10倍くらい悪くなるけど。でも結構、盛り上がったりするよね(笑)。