前々回、家庭用ゲーム機のタイトルから派生したゲームアプリ「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」の急速な伸びについて取り上げたが(第75回 “ドラクエ”人気が示す家庭向けゲームメーカー台頭の影響とは?)、同アプリを巡って返金騒ぎが発生した。トラブルに至った要因とその後の対応、そして問題の背景にある要素を考えてみよう。

ユーザーの投稿動画をきっかけに返金騒動へ発展

写真1●返金騒動が発生した「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」
写真1●返金騒動が発生した「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」
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 2014年1月23日の配信開始以降、アプリマーケット上で大きな注目を集めたのが、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」である(写真1)。このアプリは、タイトル通りコンシューマーゲーム機で人気を博した「ドラゴンクエスト」シリーズの派生タイトルであり、かつ初のスマートフォン向けオリジナル作品である。

 同アプリは配信直後から注目を集め、配信開始直後の1月27日に、200万ダウンロードを突破。短期間で非常に高い人気を博すタイトルとなった。App Storeの売上ランキングでも上位を記録するなど、順調な伸びを見せていた。

 だが1月末から2月頭にかけて、同タイトルに関してネット上で突如騒動が起こった。それは「まほうの地図ふくびき」と呼ばれる、ゲーム内のシステムについてだ。ゲーム内容を知らない人のために説明しておくと、同タイトルでは、ゲーム内での戦闘を有利にする、強力なモンスターを手に入れる方法の1つとして、ソーシャルゲームなどで一般的な“ガチャ”に相当する、ランダムでモンスターが手に入る「まほうの地図ふくびき」というシステムが用意されているのだ。

 まほうの地図ふくびきには複数の種類があるが、非常に強力なモンスターを手に入れたい場合は、有料の「金の地図ふくびき」*1を引く必要がある。金の地図ふくびきはゲーム内の通貨というべき「ジェム」を多く消費する。

*1 現在は名称が変更されている

 今回の騒動のきっかけは、金の地図ふくびきを引いてモンスターを当て続けるという動画が、動画投稿サイト上に公開されたことのようだ。