Wordを立ち上げて白紙のページに向かうとき、誰もが「美しくアピール度の高い文書を作りたい」と思うだろう。皆が手に取りたくなるパンフレット、イベントに参加したくなる案内状、説得力のある企画書、読むのが苦にならないリポートなど、文書の種類は違っても「美文書」を求める気持ちは同じだ。

 そのような文書の美しさはどこからくるのか。Wordで作成するとき、どのような点に注意することが重要なのか。この特集では、3つの作例を通じて、美文書作成の「鉄則」を探っていこう。

【鉄則】「美文書」作成の重要ポイント

バランスの良さを考える

 図1は、観光者向けのパンフレット。ホテルのロビーなどに置く想定で、自転車で巡る京都のお薦めコースを2つ紹介している。3つ折りにして持ち歩けるよう、横置きにした用紙を3等分し、内容をバランス良くレイアウトした。

手に取りやすく読みやすい「パンフレット」
図1●観光客向けのパンフレット。本文に丸みのあるフォントを使い、抑えめの配色で柔らかい雰囲気を演出した。テキストボックス、クリップアート、図形、SmartArtといった、Wordのパーツ類も利用して、内容を分かりやすく伝えている。横置きの用紙を3等分にしたレイアウトで、左右の文章や図をきれいにそろえた。3つ折りでの配布を想定した
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 この「バランス」は、文書の美しさを支える大きなポイントだ。例えば、パンフレットのように文章の長さや図の位置をキッチリそろえると、見やすさは格段にアップする。当たり前のようで、案外見過ごされがちな「そろえる」作業。文章を左右に並べるときは、特に気を配りたい。

 文字の見せ方も大切。縦書きにしたパンフレットのタイトル文字には太めのしっかりしたフォント(書体)を使い、内容がひと目で分かるようにした。タイトルを際立たせるため、あえて副題は付けていない。