東日本大震災の経験を踏まえ、地震や津波による被害の予測について見直しが進んでいる。もし首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生すると、広域での甚大な被害が生じる(図1)。政府や自治体、企業などが、災害対策を強化している理由だ。
2013年8月30日には気象庁が「特別警報」の運用を開始した。数十年に一度の災害規模を想定した警報であり、発令された地域の人々は、直ちに身を守るための行動を取る必要がある(図2)。
家庭や個人でも、大規模災害への備えを定期的に見直しておきたい。想定される被害規模が変わると、避難場所や防災の備えも変わる。特別警報のように、新しい制度の存在と意味を知っておくことも大切だ。また、ゲリラ豪雨や強風といった、比較的発生しやすい事象への備えを含めて検討しておくのもよいだろう。
その際に重要になってくるのが、スマートフォンとソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのネットサービスを、上手に活用することだ。スマートフォンは、多くの人が日常的に携帯しており、非常時にも情報端末として活躍する。ネットでは、防災や被災者支援に関する情報を効率良く提供するサイトやサービスが登場している。
東日本大震災でもこれらのツールが役立ったことは記憶に新しく、その後も関連サービスは拡充している。いざというときにしっかり活用できるよう、平時から手順の確認や備えなどを進めておきたい。