流通業者が持つ店舗やEC(電子商取引)サイト、カタログなどのあらゆる販売チャネルを統合し、様々なチャネルを通して消費者に購買の機会や体験を提供することを「オムニチャネル」といいます。

 オムニとは「あらゆる」の意味であり、オムニチャネルは複数の販売チャネルを融合したサービスの総称ともいえます。セブン&アイ・ホールディングスやイオングループといった日本を代表する小売りチェーンが2013年以降、こぞってオムニチャネルに舵を切りました。そのため、この言葉を新聞などで目にする機会が急に増えています。

 既存の小売店にとっては、アマゾンジャパンや楽天といった急成長しているネット通販会社への対抗策ともいえ、ネット事業をいかに自社のサービスに取り込むかが鍵になっています。スマートフォンから注文した商品がスーパーやコンビニエンスストアの店頭で受け取れることなどは端的な例といえますが、それだけでは物足りません。

 要は、これからの小売店は常に多彩な顧客接点を確保しておき、消費者が「何かを欲しい」と思い立ったその瞬間に、購買サービスを気持ちよく提供できるかが勝負の決め手になるということです。