2014 International CESが今年も米国ラスベガスで開催された。個々の製品や技術ではなく、放送局目線でCESをまとめてみたい。

4Kテレビは低価格化進み高付加価値化模索

写真1● Polaroidブランドの50インチ4Kテレビは999.99ドル
写真1● Polaroidブランドの50インチ4Kテレビは999.99ドル
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写真2●Samsung Electronic社の湾曲テレビ
写真2●Samsung Electronic社の湾曲テレビ
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 4Kテレビはポラロイドが発売した50インチで999.99ドルという価格に代表されるように、一気に低価格化が加速し、すでに普及フェーズに入ったといえる(写真1)。

 しかしメーカーとしては安売り競争に突入するのは避けたいところで、4Kテレビの高付加価値化の今年のトレンドはCURVED(湾曲)テレビだった(写真2)。湾曲テレビは、日本ではこれまで公な場所にはほとんど登場していないので、実際にご覧になった方は多くはないと思う。両サイドが湾曲した画面は、左右の視界に画面が回りこむため、映像に包み込まれるような臨場感や没入感を感じさせてくれる。

写真3●LG Electronicsの77インチ湾曲OLEDテレビ 湾曲とフラットを可変できる
写真3●LG Electronicsの77インチ湾曲OLEDテレビ 湾曲とフラットを可変できる
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写真4●Hisense社の湾曲テレビラインナップ
写真4●Hisense社の湾曲テレビラインナップ
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 ただし、これは50インチを超える画面サイズと4K以上の解像度の場合にその効果が実感しやすい。他には曲がった部分の空間に高音質なスピーカーを入れられるのもメリットだろう。映り込みに関しては、映り込みが点ではなく、広がった歪んだ面になるので、設置環境によって気になるケースと、むしろ見やすく感じる場面の両方あると私は感じた。

 湾曲テレビは韓国や中国メーカーが積極的である(写真3写真4)。日本メーカーは東芝が今回参考出展、ソニーは昨年のIFAで出展があったが今回のCESでは見られなかった。

 湾曲テレビが市場でどう受け入れられていくのか、日本メーカーがどう対応していくのかは今のところはっきりしない。こうして4Kテレビは、低価格化と高付加価値化の両方の、正常進化というべきアプローチが継続していくだろう。