生活のHow To(ハウツー)を投稿するサイト「nanapi(ナナピ)」を運営するnanapiでCTO(最高技術責任者)を務めるのが和田修一氏だ。和田氏は大学卒業後、楽天に入社。インフラを担当していたが、旧知の仲であった古川健介氏(現:nanapi代表取締役)に誘われて起業。以来、CTOとして、同社のすべてのシステム開発を統括してきた。

 和田氏は「エンジニアとしての“正義”を貫く」ことで、エンジニアにとって働きやすい環境を作る。それがCTOの仕事だと明言する。そんなCTOの和田氏に話を聞いた。


CTOとしてこれまでやってきたことを聞かせてください。

 以前は楽天のインフラ担当エンジニアをしていたのですが、当社の古川(健介代表取締役)が起業するというので、そのタイミングで楽天を退職し、nanapiのCTOになりました。

写真●nanapiの和田修一Co-Founder取締役CTO(写真:新関 雅士、以下同)
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 CTOとは言っても、最初は古川と私の2人しかいませんでしたから、何でもやりました。サーバーを設定し、アプリケーションのコードを書き、ダウンしたらメンテナンス。初期は資金調達をしていなかったので、他社の受託開発をしたこともありました。

 自社サービスとしては、生活のHow toを投稿するサイト「nanapi」を一番最初に提供し始めました。私はインフラ開発が専門で、アプリケーション開発は得意ではなかったのですが、何とか形にしました。古川もメンテナンスができるようにと、使用する開発言語はPHPにしました。古川はエンジニアではないのですが、ある程度はコードを読むことができます。

創業当初からシステムはだいぶ変わっているのでしょうか。

 コードレベルでいえば、毎日何かしらの機能がリリースされていますから、追加変更は常に起きています。アーキテクチャーレベルでも必要な変更はどんどん実施しています。

古いままのシステムを使うことがリスク

 つい最近は、数カ月前にPHPとフレームワークをバージョンアップしました。すると、結果的にほとんどのアプリケーションを書き換えることになりました。総取っ替えですね。6人のエンジニアが1カ月半かけて実施しました。

 現在のシステム構成は、ネット企業としてそこそこ新しいツールを使った、今風の仕上がりになっていると思います。超最先端ではないものの、最新の技術を使って、ベーシックにちゃんと組んだな、と思える構成です。