筆者は日経コンピュータ記者として動きながら、ここ1年ほどはITproの姉妹サイトである「PC Online」の運営・編集を兼務してきた。このたび、PC OnlineでITライターの青木恵美氏が執筆する人気連載「もっと便利に使うためのお役立ちユーティリティソフト」が通算300回を迎えた。パソコン用のオンラインソフト・フリーソフトを詳細な使い方と共に紹介する連載コラムである。

 初回掲載は2008年1月24日。それからほぼ毎週連載を続け、6年がたつ。この6年間の経緯については、青木氏自身がまとめている(「お役立ちユーティリティ」が300回達成! 6年間で変化したオンラインソフト事情)。

 PC Onlineの主要な読者層は個人事業主や中小企業役員、企業に所属していても個人としてパソコンを活用する人たちだ。こうした人たちに向けて、「かゆいところに手が届く」ソフトを紹介している。定番ソフトだけではなく、まだ知名度の低いが視点の面白いソフトも取り上げる。海外でよく使われているソフトを日本語の解説付きで紹介しているのも人気の秘訣だ。

リスクもあるが、商用ソフトにはない魅力

 ITproの読者の中には「オンラインソフト利用は会社で禁止されている」という人が多いかもしれない。「『GOM Player』によるウイルス感染、原因はアップデートサーバーへの不正アクセス」「中国百度が日本語入力アプリ『Simeji』を更新、クラウド送信設定の不具合を修正」などの記事にもあるように、無料ソフトを巡るトラブルはしばしば起きており、利用には少なからぬリスクがある。

 青木氏は「オンラインソフトは有志がボランティアで作っているものも少なくない。利用する側も自己責任が原則だ」と言う。実際に連載では毎回必ず「利用は自己責任で」というフレーズが入っている。

 連載では「LINE(ライン)」「Skitch(スキッチ)」など、企業発のオンラインソフトも紹介している。「GOM Player」も紹介したことがある。

 だが多くは、個人や小規模のチームが“手作り”で作ったソフトだ。こうしたソフトは動作保証やサポートは期待できない。だが青木氏は「企業はどうしてもビジネスありきなので、採算が取れなくなるとすぐに開発がストップする。6年間という長い目で見れば、むしろ個人らが作ったソフトの方が長期間継続的に提供されているようだ」と言う。

 300回の連載の中から青木氏に「ベストソフト」10個を選んでもらった。これを機に有用なオンラインソフトを改めて試してはいかがだろうか。

青木恵美氏が選んだベストソフト10選