写真1●「逆提案」で顧客の信頼を得る竹内氏
竹内 雄一(たけうち ゆういち)タケユー・ウェブ
津山工業高等専門学校卒。デザイン会社で、津山市のコミュニティサイトの構築などを手掛け、2008年に独立。Webシステムの構築などを請け負う。1984年生まれの29歳。

 岡山県美作市の自宅を活動拠点としている竹内雄一(29歳)は、「伸ばしたいスキル、生かしたいスキルに関する仕事を選べる点がクラウドソーシングを利用するメリット」と語る(写真1)。

 竹内がフリーランスのITエンジニアになった動機は、「技術者としての危機感」(竹内)だった。以前は地元のデザイン会社で、Webサイトの作成や自社のPC管理を任されていたが、「スキルを高めなければ技術者として生き残れないと感じた」(同)という。独立を機にランサーズのクラウドソーシングサービスに登録し、仕事を受注するようになった。

 例えば2012年12月には、CMS(コンテンツ管理システム)プラットフォーム「Movable Type」をベースに、勤務管理システムを構築した。竹内はMovable Typeのプラグイン「KetaiPost」を2010年に作成しOSS(オープンソースソフトウエア)として公開しており、それを見て指名発注する顧客もあるという。

 竹内がこだわるのは、顧客要件の深掘りだ。受注時に「なぜこのシステムを作りたいのか」まで確認し、時には顧客が指定したものとは違う実現方法を提案することもある。経験が豊富な分野であれば、正確に工数を見積もれる。竹内はこうして顧客の信頼を獲得し、約5割の確率で申し込んだ仕事を受注につなげている。