やってみたい仕事と出会う
2012年4月、帰山いづみ(34歳)は8年間のITベンダー勤務にピリオドを打ち、フリーランスのITエンジニアの道を歩み始めた(写真1)。
現在手掛けているのは、住所を知らないSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上の友人にプレゼントを送るシステムの開発だ。クラウドワークスのサービスを介して受注した。「やってみたいと思っていた仕事に出会えるのは、クラウドソーシングの魅力」と帰山は語る。
帰山が独立を決意した背景には、二つの理由がある。一つは「全体が見えるものを自分の手で作りたい」(帰山)という欲求だ。ITベンダーに所属しているときは、応援要員として様々なプロジェクトに短期的にアサインされることも多かった。「好きなプログラミングが、単なる作業になってしまっていた」と帰山は振り返る。
もう一つの理由は、スマートフォンやSNS関連のシステムを開発したいという思いからだ。独立前にスマートフォン向けのアプリ開発を手掛けた際、「とても魅力的。スマホに関わる開発をしたいと強く感じた」(同)。
FacebookやTwitterといったSNSは、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)などの仕様が頻繁に変わる。帰山は「Stack Overflow」といった海外のQ&Aサイトなどで最新情報を確認しながら仕事に打ち込む。「課題をクリアするのは大変だけれど、新しい技術に挑戦できるのは楽しい」と帰山は微笑む。