ソニーは2014年1月23日、エムスリー、米Illumina社と共同で、ゲノム情報プラットフォーム事業を手掛ける新会社「P5(ピーファイブ)」を2014年2月末までに設立すると発表した(関連記事)。
日本において、ゲノムを解析するサービスを提供するとともに、解析したゲノム情報を関連する医療情報・健康情報とともに蓄積し、ゲノム情報を利用した研究を支援する。将来的には、個人の医療やヘルスケアに役立てるサービスプラットフォームの構築も検討するという。
ゲノム情報プラットフォームという、医療分野の中でも最先端の領域に踏み出すソニーの狙いは何か――。同社で医療事業を統括するソニー 執行役 EVP メディカル事業ユニット 本部長の斎藤端氏に聞いた。
今回、ソニーとエムスリー、米Illumina社の3社で、ゲノム(全遺伝情報)のプラットフォーム事業を手掛ける新会社を設立することを決めました。
ソニーは今後、遺伝情報に基づく医療に本気で取り組んでいきます。今回の3社のうちIllumina社は先端ゲノム解析(シーケンサー)技術で業界トップの企業。高度なシーケンサー技術に加え、ゲノム解析にかかわる豊富な知見を備えています。エムスリーは20万人の医師が利用する、日本最大級の医師向けポータルサイトを運営しています。
この新会社では、ゲノムのデータに基づいて、個人に合わせた医療を実現する仕組み作りに参画します。これはいわば社会インフラを構築する事業であり、5~10年単位の時間を要します。3社だけで進めることはできず、厚生労働省や経済産業省など国の主導も必要でしょう。ただし我々としては国の作業を待つだけではなく、その時々のルールに沿って事業を進めていく考えです。