青森
青森県の奥入瀬渓流

 世界遺産の白神山地に、十和田湖や奥入瀬、八甲田山――。多くの景勝地を有する青森県。人口約135万人で、県の面積は9644km2である。

 この面積は全国8位であり、広大な都道府県の一つだ。その一方で、県人口の半数以上は青森市、八戸市、弘前市に住んでいる。この事実は、同県に「へき地医療」という課題をもたらしている。しかも、「医師の県外流出による絶対的医師不足」(青森県立中央病院長の吉田茂昭氏)が、この課題をより色濃いものにしている。

 さらに青森県は、平均寿命が男女ともに全国最下位であり、“短命県”という汚名がある。青森県知事の三村申吾氏は、「短命県である背景には、もちろん、塩分や飲酒などの食生活の問題がある。しかし、へき地での検診受診率の低さなど、医療資源不足に関わる要因もあるだろう」と語る。