今回は日本OSS推進フォーラムの「震災復興支援プロジェクト(Phoenix)」の活動をお伝えします。まずは、東日本大震災で被災された皆様、今なお厳しい環境での生活を余儀なくされておられる皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

ライセンス料が不要、自由にコピーできるメリットを生かす

 2011年3月11日の東日本大震災で、被災地は深刻な被害を受けました。情報を得るために必要なITシステムにも被害が及びました。そこでクライアント部会では同年4月、「我々の活動で少しでも復旧復興のお役に立てることはないだろうか」と話し合い、フォーラム内に震災復興支援プロジェクト(Phoenix)を立ち上げました。

 当時は、数多くの緊急支援が岩手、宮城、福島の3県に集中する中、他県の被災地でも日常的に困難な状況が続いており、「被災地で本当に役に立つものを、どのように届ければよいか」が緊急の課題となっていました。

 被災地へのIT機器供与では、ハードウエアだけでなくソフトウエアも同時に提供する必要があります。中古のハードウエアだとソフトウエアのライセンス問題が生じました。初期的にはソフトウエアベンダ各社の好意で事なきを得ましたが、単一企業だけで継続的な支援を続けることは大変です。

 そこでオープンソースソフトウエア(OSS)を活用することで解決できるのではないか考えました。OSSはライセンス料が不要で、何台でも自由にコピーして使えます。