「Leading in a Digital World(新しいデジタル・ワールドをリードせよ)」――。これをテーマに、2013年10月6日~10日に「Gartner Symposium/ITxpo 2013」が米国・オーランドで開催された。そのキーノートのもようを5回にわたってお届けする。
第2回目の今回は、前回に引き続き、ガートナーのリサーチ部門最高責任者であるピーター・ソンダーガード氏の講演の後半を紹介する。なお講演の動画は、ガートナーの日本語サイトから視聴できる。
[前回から読む]
2020年に向けた3つの課題のうち、1つめの「デジタル化」について、これまで述べてきた。ここからは、2つめの課題であるデジタル化がベンダーに与える影響を考えてみよう。
従来のITサプライヤーにとって、デジタルの時間は速く過ぎていく。昔は、トップのハイテク企業が10年、場合によってはそれ以上、長い間にわたって業界を支配してきた。しかし今、クラウドやモバイルなどの分野におけるリーダーは、5年前は姿すら見えなかった企業だ。
彼らが昔販売していたものがデジタルの未来では必要ないということも珍しくはないだろう。
これらの企業のチャネル戦略、営業力、パートナーエコシステムは、様々な課題に直面している。(1)異なる競合他社、(2)新しいバイイングセンター、(3)顧客ビジネスモデルの変化――。
これがERP(統合基幹業務システム)などの分野におけるベスト・オブ・ブリード(BOB)サプライヤーの登場につながり、メガベンダー各社は価値の提供に努力を払っている。また、これによってデジタル化で加速したテクノロジー駆動型のスタートアップ環境が全世界で創出される。
したがって、ほとんどのサプライヤーについて、決まったサプライヤーがある世代のITから次の世代へと支配することはない。今後、加速したベンダーリーダーシップの変化が来ると考えられる。