セキュリティ・ベンダーが公開しているブログから、興味深い記事をピックアップし、紹介する。まずは、カーナビゲーションシステムとプライバシーに関する話題から。

 ノートパソコンやスマートフォンといったコンピュータデバイスの急速な進化は、多くのメリットをもたらす半面、不安ももたらす。英ソフォスはブログで、夕陽に向かって車を走らせている時でも安心できないと指摘している。多くの国々では、道路の脇にカメラが設置され、どこまでも我々を追跡するし、ナビゲーションシステムもプライバシーの懸念を抱かせるという。

 米国のデトロイトで開催された北米国際オートショーで、米運輸長官は、運転者の利便性・安全性の強化と、運転者のプライバシーに対する期待との、適切なバランスを保つことが必要だと述べた。

 その約1カ月前に、米政府監査院(GAO)は、自動車メーカーとGPS関連メーカーが車載ナビゲーションシステムを介して運転者の位置情報を収集および保存していることについて、調査した結果をまとめた報告書を発表した。

 報告書によれば、メーカーらは消費者の場所を追跡できるほか、位置データを使って個人情報を盗んだり、ストーキングしたり、あるいは気づかれないように監視したりすることも可能という。さらに位置情報から、関わっている宗教組織や政治活動など、他の個人的な情報を推測できる。

位置データが転送される仕組み

 調査対象となった10社すべてが位置データを収集および共有していることを公表しているが、そのうち9社は説明があまりに漠然としていて、消費者は予想もしない方法でデータを収集され、共有されてしまう可能性がある。