意外に思われるかもしれませんが、ヒューマンエラーによるトラブルというのは、誰かが1人で災害や問題を起こしてしまうというよりは、複数の人や組織が関係して発生することの方が多いようです。

 確かに見た目には、1人で災害やトラブルを発生させたように思えることが多いのですが、問題を深く掘り下げてみると、最終的にトラブルを発生させた人ではなく、その人に指示を出した人や、さらにはその指示を出した人に指示した人や上位組織に原因があることが少なくありません。

 いわゆる、「根の深い問題」といった類のことが、これに当てはまります。こうした問題こそ、根本的なところを直していかないと、いつまでもトラブルが再発し続けてしまいます。

 このようなトラブルに対して、なぜなぜ分析でメスを入れていくには、時系列的に「指示内容」「判断内容」「入手情報」「伝達手段」の4つについて、関係してくる人や組織を分けて、整理することをお勧めします。

 そのうえで、「指示の仕方と内容」「判断の仕方と内容」「情報そのもの」「伝達経路」のそれぞれに対して不備はなかったか、発生した要因を挙げていくとよいでしょう。

 そうすることで、仕組みの悪さが見えてくるはずです。

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まとめ
 ヒューマンエラーの原因を、最終的に問題を起こした人に押し付けるのではなく、原因究明の目を指示を出した人や上位組織にまで広げることが大切だ。