注目の統計学が経た浮沈の歴史

 迷惑メールのフィルタリングや、ECサイトのレコメンデーションなど、ITの世界でも広く使われている統計学、ベイズ統計学の歴史を解説した。物事を表すデータを扱う他の統計学と比べると、ベイズ統計学では、物事が起こる確率や物事同士の関連性を扱う。そのため他の流派の統計学者から激しい非難を受けた。

 その一方で、第二次世界大戦で暗号解読に役立てられるなど実用面で広く使われるようになった。ベイズ統計学は原書のタイトル「不滅の理論」であることがよく理解できる。

 米国金融政策のリスク把握に適用されるなど、歴史的活用例が多く紹介されている。ベイズ統計学を活用する際の参考になる。

異端の統計学 ベイズ


異端の統計学 ベイズ
シャロン・バーチュ・マグレイン 著
冨永 星 訳
草思社発行
2520円(税込)