相手に伝わる・分かる文章で最も大事なことは、「書いてある内容を読み手が理解できる」ことです。これは書き手と読み手の知識量や水準が同じ場合には、大きな問題は起こりません。

 しかし、そうでない場合には大きな問題になります。たとえば、システム開発における利用者と開発者では、専門知識の有無に大きなギャップがあります。開発側はITに関する専門知識を持っていますが、利用部門はシステム開発やITの知識がさほどありません。

 このため、両者の専門知識・専門用語に関する知識前提には注意しなくてはなりません。これは「知識差」と呼ばれますが、知識差のある人が読み手である場合の文章に専門用語を使う文章は、究極のダメ文章であることを肝に銘じる必要があります。

 一方で、同じことを何回も繰り返して重複して書いたり、読み手が知っていることを説明したりすると、冗長な文章になります。読み手を意識して、相手の知らないことを省略せず、知っていることは省略するという具合に、「省略を適切に行う」ことが重要です。

<省略を適切に行うポイント>
=相手の知識、経験を調べて何を省略するのか、しないのかを考える

  1. 自分が知っていることだとしても安易に省略せず、相手の知識水準を考えて、必要ならば詳しく書く。(専門用語など)
  2. 読み手にあたりまえのことは省略する
  3. 重複した内容は省略する。(同じことを複数の場所で説明しない)