相手に伝わる・分かりやすい文章は「短い時間」で、「一目で直感的に内容を理解できる」ことが求められます。このためには、「無駄な文章をそぎ落とす」ことはもちろんですが、「脚注」を行うことも有効です。長い締まりのない文章は、理解しにくいだけでなく論点もぼやけてしまうので、短く書くコツを知ることが必要です。

<短く書くポイント>

  1. 助詞、形容詞、修飾語などを排除する
  2. 脚注でセンテンスを分ける
  3. 受身表現を能動態にする、体言止めで書く

(1)助詞、形容詞、修飾語などを排除する

 例えば、以下のようなお客さま向けの依頼文書があったとします。

  1. 業務要件の確認に関して
  2.  今回の貴社向け「購買傾向分析システム」の構築に関しては、貴社の販売部門、企画部門、事務部門の担当者様の適切なニーズを確実に開発側である弊社が理解できるように詳細ヒアリングを実施させていただきます。

 この文章の骨子は、「ヒアリングを実施したい」ということですが、それまでに長い修飾語やヒアリングをしなければならない理由などが書かれており、非常に読み難い文章になっています。

 この文章を分解すると「ヒアリングを実施したい」が主張、主張の理由は「正しい要望を確実に理解する必要がある」ということです。そして、要件を持つ主は「販売部門、企画部門、事務部門の担当者」ということになります。そこで、以下のように修正するとすっきりします。

(ダメ→改善例)

  1. 要件の確認に関して
    システム構築に当たってヒアリングを実施させていただきます。
    ⇒貴方のニーズを確実に把握させていただくために必要ですのでよろしくお願いします。
    ⇒対象は、貴社販売部門、企画部門、事務部門の担当者様とさせていただきます。