前回に引き続き、消費税率変更に伴うシステム更新プロジェクトに潜んでいる「落とし穴」を紹介しよう。今回紹介する三つの落とし穴のキーワードは、「Excel」「ERPパッケージ」「価格表示」である。
落とし穴 2
Excelのマクロにも
税率計算が潜む
消費税率の計算というと、販売管理や購買管理など、商品や部品・材料の売買に関わるシステムを思い浮かべがちだ。だが「社内で消費税率を扱うシステムは意外に多い」と公認会計士/税理士の岩谷誠治氏は指摘する。
見落としがちなのが社員のデスクトップに入っているソフトだ。Excelのマクロや、システム部門を通さずに事業部門が独自に導入した業務パッケージ、直販を行うために構築したEC(電子商取引)サイトなどに税率計算が潜んでいるケースがある(図1)。
システム部門の管轄外に注意
会計や販売、購買といった規模の大きいシステムでは、パッケージソフトを利用することが多い。自社開発の場合でも、消費税率の変更を設計段階から考慮していることがほとんどだろう。そのため、システム対応はパラメータ設定のみで済むと考えがちだ。