焦点を読む
目次
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「人月」に頼るIT部門の勘違い
多くのITベンダーが「このままでよいのか」と疑問を感じつつも、長く続けてきた商慣行がいくつかある。その代表例は、SIにおいて人月(1人の技術者が1カ月に行う作業量)単位で見積もった工数をベースに、料金を算出する“人月商売”だろう。
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「イノベーティブな人材」の誤謬
人材をいかに育成するかは永遠の課題だが、育成すべき人材像は時代と共に変わる。そして今、IT部門の長やマネジャーの誰もが、育成すべき人材像について同じようなイメージを口にする。それは「イノベーションを主導できるIT人材」である。
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ソフトが機械を“定義”する時代
「我々は世界最大のソフトウエア会社になる」。そう宣言するのは、既存のITベンダーでも、新興のITベンチャーでもない。重電の雄、米ゼネラル・エレクトリック(GE)だ。今、IoT(モノのインターネット)を「インダストリアル・インターネット」と言い換え、大々的なプロモーションを展開するが、その方向感を端…
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金融・公共の大型案件、二つの罪
「なぜ銀行は通信会社のようなサービスができないのでしょうね」。少し前に、金融機関向けのソリューションを提供しているITベンダーの幹部から、そんな謎をかけられた。「通信会社のようなサービス」の意味が分からず戸惑っていると、「ほら、家族割のようなサービスですよ」とその人。
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日本企業、“ITの二正面作戦”の苦難
もしITベンダーの営業担当者や技術者がユーザー企業の経営者やCIO(最高情報責任者)に会う機会があるのなら、「御社の経営課題は事業のグローバル化とイノベーションですね」と話を切り出せば、まず間違いはない。相手は「まさにその通り」と深くうなずき、会話の糸口が生まれるはずだ。
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効果絶大!IT部門に“異分子”投入
IT部門改革の取り組みは以前から何度も試みられているが、なかなかうまくいかない。だが最近「これは!」と思う試みに出合った。インド人技術者をIT部門に招いて、開発プロジェクトなどに参加してもらう。ただそれだけの取り組みだが、効果絶大なのだ。
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日本の強みを殺すIT、生かすIT
日本企業の強み、あるいは日本人の長所とされてきたものが、ビジネスのデジタル化やグローバル競争の激化に伴い「今や弱み・短所に変わった」と断罪され、危うく葬り去られるところだった。何のことかと言うと、製造業なら“匠の技”、サービス業なら“おもてなし”、日本人が持つ細部へのこだわりや細やかな心遣いといっ…
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システム運用に無関心は当たり前
「情報システムの運用は開発に比べて、経営から軽く見られている。システムは開発して終わりではなく、運用こそ大事なのに」。システムの開発部隊と運用部隊が分かれている大手ユーザー企業のIT部門では、システム運用担当者の間でこうした不満がまん延しているという。私も何度か運用担当者からそんな話を聞いたことが…
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個人情報保護、10年前の教訓
「あの法律のおかげでIT部門の権限が強くなった。当時は、IT部員が社内を肩で風を切って歩いていたものだ」。ある大手金融機関のIT部門の幹部はそう振り返った。「あの法律」とは個人情報保護法のことだ。
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ビッグデータとアラン・ケイの格言
未来を予測する有力な方法が二つある。一つは、今や旬を迎えたビッグデータ分析である。マーケティング上の課題として、ビッグデータ分析に取り組む企業が増えつつある。そしてもう一つの方法は、「パーソナルコンピュータ」の概念の提唱者として名高いアラン・ケイ氏のあの格言にある。
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差異化のためのIT投資の結末
これからのITの目的は、業務の効率化よりもビジネスの差異化──。これはもはやIT投資の常識だ。ITを使ってコスト削減に血道を上げる時代は終わり。今後はITを活用して新サービスなどを生み出し、顧客満足度を向上させて、いわゆるトップライン(売上高)を押し上げよう、というわけだ。
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だからコンサルタントが要る
やはりコンサルタントが必要だ──。最近そんな声をよく聞くようになった。実はこれ、ユーザー企業ではなくITベンダーの声だ。もう少し限定すれば、今までコンサルティング部隊を置いたことがないSIerから聞こえてくるようになったのだ。
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“プロの経営者”登場で進むIT活用
日本でもいよいよ、企業を渡り歩く“プロの経営者”の時代が始まる。サントリーホールディングスは10月に、ローソンの新浪剛史会長を社長として招く。そのローソンで5月に社長に就任した玉塚元一氏も、かつてファーストリテイリングの社長を務めた。6月にベネッセホールディングスの会長兼社長に就任した原田泳幸氏、…
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ロボット、究極のクラウド端末の夢
そろそろ、ユーザー企業のIT担当者も含めIT関連の技術者はロボットの本格普及期に向けての準備を始めたほうがよい。そう言うと、皆さんは奇異に思うだろうか。実は、この話は奇異でも何でもない。今ウエアラブル端末の普及が始まろうとしているが、そのウエアラブル端末の次に来る端末は、ロボットが最有力だからであ…
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日本のIT業界だけ亀の歩み
いまだに「IT業界は変化が激しくて…」などと言う人がいる。もちろん米国のIT業界の話をしているのなら、その認識は正しい。しかし、そう話す人は日本のIT業界のことを言っていたりするから、驚いてしまう。
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製造業のIT投資がダメな理由
数年前に、「製造業は他の産業に比べてIT投資の面で遅れており、IT活用に関する意識も低い」といった趣旨のことを書いて、“現実を知らない”識者から「現実を知らない者の暴論」とこっぴどく叱られたことがあった。当時はまだ「大手製造業=IT活用先進企業」という神話が残っていた頃なので仕方が無いが、さすがに…
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ベンダーの良い提案が消える
IT業界の技術者不足が、ユーザー企業のシステム化計画に悪影響を与えそうだ。みずほ銀行のシステム統合やマイナンバー関連のシステム構築など、いくつもの超大型の開発プロジェクトが2014~2016年に重なったことで、技術者不足が一気に深刻になってきた。超大型案件が多くの技術者を“バキューム”してしまって…
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技術者を襲う3年後の悲劇
情報処理推進機構(IPA)が4月25日に公開した『IT人材白書2014』に並ぶ数字は、日本のIT業界の現状を鮮やかに映し出している。現状と言うよりも“惨状”と言ったほうがよいのかもしれない。多くのIT企業が、目先の巨大開発案件により生じた技術者不足への対応に懸命になる一方で、ユーザー企業の新たなニ…
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システム部員は社長を目指せ
配属先は情報システム部門。そんな辞令を受け取った新入社員の皆さんは、どんな気持ちでいるだろうか。「やった!」とガッツポーズをした人は少数派だろう。大半の人は呆然としたのではないか。「世界で通用する営業のプロになろう」とか、「いつか画期的な新製品を企画してみたい」といった夢を抱いて入社した人にとって…
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システム子会社、始末のつけ方
情報システム子会社をどうするのか─。この古くからある課題に、システム子会社を持つ多くのユーザー企業は結論を出さなければならない時期に差し掛かっている。
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