前回はWindows Serverが持つファイルサーバー機能を紹介した。今回は、ディスク装置の利用に絞って解説する。
前回に引き続き、サーバーに求められるストレージ要件を挙げておこう。Windows Serverのディスク機能もこれらを満たすような機能拡張が行なわれている。
- 速度…転送速度やアクセス速度が速いこと
■マルチパスI/O(MPIO)…1台のディスク装置に複数のアクセスパスを構成することで、速度と可用性を向上させる機能。OSの機能というよりは、ハードウェアとデバイスドライバーの機能なので今回は解説を省略する。
■記憶域階層…SSDをキャッシュとして利用することで、高速化する機能。 - 信頼性…故障しない、故障しても代替機能が
自動的に働く
■RAID…複数のディスク装置を使って1台または2台の障害に備える機能。 - 拡張性…大容量で多数の記憶装置が使えること
■GPTディスク…2TBを超えるディスク装置を利用する機能(前回参照)。
■重複除去…データの重複部分を統合することで物理ディスク領域を節約する機能。 - 柔軟性…サーバーの動作中にディスクの追加や
交換ができること
■シンプロビジョニング…指定したパーティション領域をすべて割り当てるのではなく、実際にデータが保存されている部分だけを割り当て、本当に必要になったときにあとからディスク装置を追加する機能。 - セキュリティ:必要な人に、必要な情報を、
完全な形で提供すること
iSCSIの接続先を制限する機能などが存在するが、標準規格の一部でありWindows固有の機能ではないので今回は解説を省略する。
ディスク層に関する多くの機能は、Windows Server 2012から追加された「記憶域プール(ストレージプール)」に含まれる。各機能はお互いに関連する部分があるため、今回は要件別ではなく記憶域プールの機能を中心に紹介する。