みなさんの会社では、なぜなぜ分析をする時にどんなメンバーで実施しているでしょうか。

 職場のスタッフだけでなぜなぜ分析を実施するとともに、再発防止策のアイデアも同じメンバーで考えて、対策を現場に押し付ける、といったことはありませんか。

 こうしてしまうと、維持管理を押し付けられる現場側は「やらされ感」で作業することになり、ひとたび忙しくなると、忙しさを理由に維持管理をやめてしまいます。そして忙しくなくなっても、やらないまま放置されてしまう、といったことになりかねません。

 何にでも言えることですが、自分自身が参加した会議で、しっかりした理屈の上で決まったものであって、かつ自分がやらなければならないことでなければ、対策は長続きしません。

 逆に、自分で決めたことは、意外と続けるものです。なぜなぜ分析でも同じことが言えます。

 ところで近年、技能伝承という言葉が流行していますが、現場の第一線で活躍してきたベテランとそうでない人たちとを一緒にしてなぜなぜ分析することが、「トラブルを解決していくにあたってのモノの見方や考え方」まで伝承することにつながるのをご存じですか。

 ベテランの方は多くの経験や知識をお持ちですが、そのなかでもなかなか伝承しにくいのが、トラブルの対処に当たってのモノの見方や考え方です。

 それもそのはず。トラブルへの対処はケース・バイ・ケースで違うからです。