次にエンジニアが将来のキャリアをどのように考えているかを見てみる。職種別に見ると、独立開業への意識が突出して高いのはコンサルタントである。実に27.3%が「今の仕事で築いたノウハウや人脈を生かして独立開業したい」と回答している(図3)。

図3●将来のキャリアに対する考え(職種別)
図3●将来のキャリアに対する考え(職種別)
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 続いて独立開業の意識が高かったのは、ITスペシャリスト(8.0%)、ITアーキテクト(7.7%)だった。クラウドも母数が少ないものの、7.7%が独立開業を視野に入れている。

 逆に独立開業への意識が低かったのは、アプリケーションスペシャリスト、ソフトウェアデベロップメントといったシステム構築を直接支える職種である。いずれも5%を下回った。

 コンサルタントは「今の仕事でステップアップしていきたい。別の会社に移ることも視野に入れている」を含めると、60%以上が転職を視野に入れている。これは、同じく50%以上が転職を視野に入れているITアーキテクトよりも5ポイント以上高い。

 ここで注目したいのはプロジェクトマネジメントである。「今の仕事で築いたノウハウや人脈を生かして、独立開業したい」「今の仕事でステップアップしていきたい。別の会社に移ることも視野に入れている」の割合は30%台で、上流工程を担当するコンサルタントなど他の職種よりも低い。調査結果からその理由は見て取れなかったが、プロジェクトマネジメントに携わるエンジニアが職種の特性上、転職しにくい、もしくは転職する必要がないと感じている可能性がある。