2013年後半頃から「2014年は動画の活用がブームになるだろう」という発言を何度も耳にしてきた。ここ数年、毎年のように「今年は動画活用がブレイクする」と言われて久しいが、なかなかそういった状況になってこなかった。しかし、2014年にはデジタルマーケティングで動画が積極的に活用されるようになる、というのが大方の見方だ。

 背景には、「動画配信」の領域で長らく続いてきた、YouTubeの「1強状態」という構図に変化の兆しが見えてきたことがある。2013年11月にYahoo! Japanが、2014年度末までに6000万ユーザーの獲得を目指し、動画広告プラットフォームの強化を発表したのはその最たる例だろう。

 それ以外にも2012年4月にFacebookが買収を発表したInstagramや、同年10月にTwitterが買収したVineなど、短時間の動画を手軽にソーシャルメディア上で共有できるプラットフォームの普及が、2013年後半になって急速に加速してきたことも、この変化に拍車をかけていると考えられる。

 こういった形で動画配信の選択肢が増え、動画配信にかかわる技術的・金銭的障壁が大きく引き下げられたことで、企業のデジタルマーケティング戦略の中に、動画の活用が大きな要素として位置付けられるようになってきた。それに伴って、主にB2C領域でのデジタルマーケティング施策として考えられていた動画の活用が、B2Bの世界にまで広がりを見せていることは、以前に本コラムで触れた。