「今でしょ!」「倍返しだ!」「お・も・て・な・し」……。2013年は実に多くの流行語が駆け巡ったが、ICT業界でも様々な流行語が出てきた1年といえた。そこで「ITproまとめ」に登場したキーワードを中心に、編集部や識者、取材先などが注目したITC業界を彩る流行語を取り上げてみた。ITproの記事アクセスランキングと異なる結果が出てきて面白い。

ビッグデータから派生語が拡大へ

 13年に最も取り上げられた言葉は「ビッグデータ活用」に尽きる。ここから「データサイエンティスト」など多くの用語が派生的に登場した。

 なかでもICT業界の関心を呼んだのが「Suica履歴販売」である。JR東日本が、交通系ICカード「Suica」の乗降履歴を日立製作所に販売し、利用者やマスコミから大きな反発を受けたことが、ユーザー企業の間に波紋を広げた。ICT企業のトップからも「Suica履歴販売」の影響を気にする多くの声が聞かれた。「Suica履歴販売」では何を誤ったのか。こうした記事に対する反応も大きかった。

 「オープンデータ」もビッグデータ関連で脚光を浴びた。行政機関や企業が保有するデータを開示すれば、新たな事業創造や社会問題の解決に役立つとの期待があるためだ。ビッグデータ活用にも弾みがつくが、使い方を間違えればプライバシー侵害などにつながるため、ルール作りの議論も進んだ。

 さらに「インメモリーデータベース」も注目された。全てのデータをメモリー上で処理するアーキテクチャーを備えたデータベースシステムで、米Oracleの「TimesTen」や米IBMの「solidDB」、独SAPの「HANA」などがある。ビッグデータを利用したマーケティング手法が登場しており、インメモリーデータベースは構造化されていない膨大なデータを素早く分析するのに役立つ。