前回はoDeskをはじめとしたグローバルなクラウドソーシングサービスのなかには、日本円で数千円をかすめ取ろうとするような悪党が紛れ込んでいることをお伝えしました。oDeskでは(残念ながらまだ)ユーザー(登録者本人)を一意に特定することはできません。ちょっとポカをやったり、ヘマをやったりしてレビューや評価が悪くなったら、そのユーザー情報(アカウント)はすぐに捨てて、新しくユーザー登録し直すことで、自分を“リセット”可能です。

 これは悪党たちとのイタチごっことも言えるもので、「この問題がなくなるまではクラウドソーシングを使わない」などと言っていると、いつまで経ってもクラウドソーシングを活用できる日はやって来ません。

 そこで前回は、悪党に引っかからないために気をつけるべき点をいくつか挙げました。そこで今回は逆に、「いい人」を見つけたら、いかにして良好な関係を維持し、なるべく長く取引を行うかというポイントを解説したいと思います。

低コストなクラウドソーシングで最もコストがかかるもの

 クラウドソーシングは低コストで大きな成果を期待できる可能性があります。その代わり、「ローコストでいい仕事をしてくれる人を見つけ出す」ためには、大きな時間的なコストと労力が伴うことは肝に銘じておかなくてはなりません。

 というよりも、クラウドソーシングを活用したビジネスの成否は、この「人選」に99.9%かかっていると言っても言い過ぎではないでしょう。

 特に単発のデザインや制作ではなく、長期にわたるシステム開発となると、たとえコストの安いクラウドソーシングとは言っても、とても大きなリスクを伴います。遠隔地で、しかも異文化に生きる外国人と良好な関係を作り、同じチームメートとしてプロジェクトを成功に導くには、何が何でも信頼できる優秀なエンジニアを獲得する必要があるのです。