2012年に続き、2013年もモバイル業界はまさに激動の1年だった。最大の盛り上がりは9月のNTTドコモによるiPhoneの発売だ。これを追い風として、国内スマートフォン市場におけるiPhoneの存在感はさらに高まった。

 一方、Android端末ではスペック競争が頭打ちとなり、いかにして差異化するかが焦点となった。国内キャリアが契約者獲得やネットワーク増強で激しく競争を繰り広げる中、様々な軋轢も生まれている。その先にはMVNOやSIMフリーによる新たな市場も見えてきた。

Androidのスペック競争と、Xperia Z1の大型化

 2013年に発売されたスマートフォンを振り返ってみると、Android端末におけるスペック競争は一段落したという印象を受ける。ディスプレイは5インチでフルHD解像度、プロセッサはクアッドコア、防水・ワンセグ・おサイフケータイなど日本向け機能にも横並びで対応する。スマートフォンの弱点だったバッテリー駆動時間についても、多くの機種が満足できる水準に達した。どの機種を購入した場合でも、一定レベルのユーザー体験を得られるようになったといえる。

 その結果、今度は何をもって端末を差異化するかが課題となっている。特に注目したいのは、Xperia Zシリーズの動向だ。ソニーモバイルコミュニケーションズは1月のCESで「Xperia Z」を(写真1、関連記事:ソニー、新型スマホ「Xperia Z」や4K対応液晶テレビなどを発表)、9月のIFAで「Xperia Z1」を発表した(写真2、関連記事:Xperia Z1発表でソニーのスマホが躍進か、サムスンも最新機種を発表)。両機種は、いずれも5インチ・フルHD・クアッドコアのフラグシップ機だ。しかしXperia Z1は本体サイズが大型化し、長辺は5mm、厚さは0.6mm増加、重量は25g増の171gとなった。

写真1●2013年1月のCESで発表した「Xperia Z」
写真1●2013年1月のCESで発表した「Xperia Z」
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●9月のIFAで発表した「Xperia Z1」。Xperia Zより大型化した
写真2●2013年9月のIFAで発表した「Xperia Z1」。Xperia Zより大型化した
[画像のクリックで拡大表示]