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2014年、Linuxやオープンソースソフト(OSS)がもっと身近に、もっと重要になる──。タイトルに挙げた「身近に」、という言葉には、二つの意味を込めている。
一つは「システム視点」での身近さである。企業情報システムやネット上のサービス、組み込み系システムなどで、LinuxやOSSの適用範囲がますます広がり、どこにでも使われるようになる、という意味だ。もう一つは「個人視点」での身近さだ。Linux/OSSを活用しながらさまざまなモノ作りを楽めるようになり、Linuxに興味を持ち、実際に活用する人が増える。それによってLinux/OSS関連のエンジニアのすそ野も大きく広がる、という意味である。
かなり異なる二つの視点だが、まぎれもなく、Linux/OSSを取り巻く大きなトレンドだと捉えている。
基幹システムは当たり前、インフラはOSSで作る
まずはシステム視点から、Linux/OSSの動向を見てみよう。
IDC Japanが2013年8月に発表した国内オペレーティングシステム(OS)市場調査によると、2012年のLinuxの市場規模は金額ベースで前年比10.8%と大きく伸びた。今後も高い成長を続け、2012年~2017年の年間成長率は7.0%になるという。2013年にはLinuxがメインフレームを抜き、Windowsに続く2番目の市場になるとしている。
この調査結果には、サブスクリプション費用が発生しない無償Linuxは含まれないので、大規模データセンターなどで利用される無償Linuxなどを考えると、台数ベースでの市場はさらに大きく伸びていると言えそうだ。