明けましておめでとうございます。今年も日経コンピュータとITproをよろしくお願いいたします。

 久々に景況感の回復を実感できる年明けとなりました。企業のIT投資は一足早く2013年度に上昇に転じ、2014年度も複数の調査で増加の見通しという結果が出ています。4月の消費税率改定という景気の不安定要素はあるものの、リーマンショック以降、IT投資を抑えられ続けてきたIT関係者にとっては、いよいよこれからが腕の見せ所と言えるでしょう。

 しかし、こうしたIT投資の回復基調とは裏腹に、2014年はIT関係者、とりわけプロフェッショナルと呼ばれる組織や人にとって試練の年の始まりになるのではないか。もっと言えば、今後もプロとして仕事を続けていくための正念場を迎えるのではないか。ここ数年の急速なテクノジーの進化と、企業を取り巻く環境の変化を目の当たりにし、そう確信するようになりました。

IT部門は利用部門の「請負人」「門番」か

 まず、戦略部門への転換がますます強く求められるようになってきた、IT部門の今後の在り方に注目したいと思います。

 日経コンピュータが昨年秋に実施した意識調査(回答者は企業のIT部門と利用部門、計1500人)では、IT部門自身の意識と利用部門の意識とのギャップが極めて大きいことが浮き彫りになりました。利用部門がIT部門を、企業経営や事業のための戦略部門として位置付けているケースは明らかに少数派でした。

 「仕事の基本姿勢(自発性)」「ビジネスの変化に対応できる柔軟性」「利用部門のニーズの理解」の3点について、IT部門による自己評価と、利用部門によるIT部門の評価を比較したところ、利用部門の肯定的な評価は10~30%台。いずれも、IT部門による肯定的な自己評価の比率の、2分の1ないし3分の2にとどまりました。そもそも利用部門がIT部門の仕事を正しく理解していないケースもあると考えられますが、それにしても大きなギャップです。

 少々意地悪な質問かもしれませんが、IT部門の役割をITベンダーで代替できるかどうかを尋ねたところ、利用部門の3分の1以上が「可能、または、どちらかというと可能」と回答しました。より深刻なのは、IT部門自身も2割近くが代替可能(または、どちらかというと可能)と答えていることです。