tracert(トレースルート)コマンドは、実行するコンピュータから通信相手までの経路上にあるルーターを一覧表示するコマンドだ。実行結果を見れば、通信相手までどのような経路を通ってたどり着くかがわかる。また、経路上にある各ルーターまでの応答時間も表示する。

よく使うオプション

 トラブルシューティングでは、通信相手にアクセスできないとき、どこにその原因があるかを切り分けるために使う。例えばサーバーにアクセスできないときにtracertを使えば、経路上のどのルーターまでつながり、どのルーターより向こう側(通信相手側)でつながらないのかがわかる。トラブルの原因は、つながるところとつながらなくなるところの境にありそうだと推定できる。

ICMPの仕組みを使って経路を調べる

 tracertコマンドは、通信相手をドメイン名やIPアドレスで指定する。例えば、日経BP社のWebサーバー(www.nikkeibp.co.jp)への経路を確認するときは、

C:\>tracert www.nikkeibp.co.jp 
このマークで改行

と打ち込む。こうすると、実行したコンピュータからWebサーバーまでの経路上にあるルーターのIPアドレス(またはドメイン名)が、コンピュータに近いほうから順に、応答時間と一緒に表示される。