「パソコンがインターネットにつながらない」「メールを受信できない」「特定のサーバーにだけつながらない」──こういったネットワークトラブルに遭遇したとき、あなたならどんな手を打つだろう。ベテランのシステム担当者なら、「まずは、『ping(ピング)コマンド』を実行する」と答える。この「ping」に代表されるものが、ネットワークコマンド(ネットコマンド)である。
ネットコマンドとは、通信/ネットワークの状態を把握したり、ネットワーク関連の設定を変更したりするために使う一群のツール(プログラム)を指す。Windows(ウィンドウズ)をはじめ、Mac OS(マックオーエス)やLinux(リナックス)といったようなUNIX(ユニックス)系OSなど、ネットワーク機能を持つほとんどのOSが標準で備えている。Windowsといっても、サーバー向けの「Windows Server」だけでなく、クライアント向けのWindowsも含まれる。
ネットコマンドは、OSが入っているコンピュータがあればいつでもすぐに使える(図1左)。ツールを使うためにインストールをしたり、特殊な機器を用意したりする必要がない。
またネットコマンドのほとんどは機能がシンプルで、軽快に動作する(同右)。例えばpingの機能は、指定した機器と通信できるかどうかだけを確認するもの。LAN内の機器との確認なら、ほんの数秒で完了する。
このような利点のあるネットコマンドは、システム担当者にとって便利なツール。マスターしておいて損はない。