2013年のスマートフォン分野は、iPhone関連の記事がランキング上位を賑わした。年に1度の新機種登場のタイミングに加えて、今年はNTTドコモの参入という話題性もあり、ランキング20位までの間に実に9本、iPhone関連の記事が並んだ(『「ドコモからiPhone発売」で、携帯各社の競争はどうなる?』ほか)。記事のタイプも様々で、ドコモ参入のインパクトを説くニュース解説から実際の購入体験記まで、幅広く読まれたのが特徴だ。
一方、ランキングの1位は、iPadの購入に際して誰しもがぶつかる悩みを、ユーザー目線で解説した『大きくて薄いiPad Airと、小さくてきれいなiPad mini Retinaで悩む』だった。全体ランキングでも1位を獲得しており、購入を前提としたタブレット分野への読者の関心の高さがうかがえた。
この記事を含めて、iPad関連の記事3本がいずれもレビュー系に寄っている点は、iPhoneとの違いが見て取れて興味深い。なお、iPhoneとiPadを合わせると、実に上位20本のうちの6割をiOSデバイス関連の話題が占めており、日本市場におけるアップル製品の人気を図らずも証明した格好だ。
注目記事の本数ではiOSに後れを取ったAndroid陣営だが、GALAXYとXperiaという売れ筋2製品への関心は依然高い。特に、ドコモが夏商戦で「GALAXY S4」と「Xperia A」を優遇した「ツートップ」戦略を採用し、他社の反発覚悟で特別扱いした裏事情には多くの関心が集まった(『メーカーの反発必至でもドコモがGALAXY S4とXperia Aを“特別扱い”した理由』)。このころから、NECカシオモバイルコミュニケーションズやパナソニックといった国内メーカーのスマホ撤退報道が相次ぐようになり、この分野における優勝劣敗が鮮明になった。
iOSとAndroidという2大モバイルOSに次ぐ、“第3の選択肢”を巡る動きも注目を集めた(『第3のモバイルOS狙うFirefox OSとTizen、何が違う?』)。スペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2013」で発表されたFirefox OSやTizenなどの新興勢力の行方がどうなるのか、ノキアを傘下に収めたMicrosoftの推すWindows Phoneの動向と併せて2014年も引き続き、要チェックだろう。
さらに、純粋なスマートフォンとは異なるが、Googleが提唱するめがね型の情報端末「Google Glass」も年間を通じて大いに話題をさらった(『話題のめがね型端末「Google Glass」、開発者数千人に向け検証版の販売がスタート』)。ウエアラブル端末は、めがねのほかに、腕時計型も登場しており、Google Glassがこの先どのような発展を遂げるのか、あるいは噂される「iWatch」でのアップルのこの分野への参入はあるのか、2014年に期待が高まるところだ。