12月15日、テレビドラマの「安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~」が最終回を迎えました。直前まで同じ時間に放映していた「半沢直樹」が社会現象を起こしたのに比べ、安堂ロイドは大きな反響を呼びませんでした。

 実は半沢直樹と安堂ロイドには意外な共通点があります。現実のIT企業が撮影に協力しているのです。半沢直樹の勤める銀行の社員食堂は日本ヒューレット・パッカードのものを、安堂ロイドのヒロインが務める企業のオフィスは、日本マイクロソフトの本社を撮影に使っています。

 これだけではありません。ストーリーにもITがかかわっています。半沢直樹では、ホテルのインターネット予約システムがストーリーに関係していました。安堂ロイドのヒロインはIT企業の広報室長ですし、そもそもアンドロイドが主人公のドラマ。アンドロイド、つまりロボットはITのホットなテーマにほかなりません。グーグルがロボット会社を相次いで買収していることをご存知の方も多いでしょう(関連記事:Google、四足歩行ロボット「BigDog」で知られるBoston Dynamicsを買収グーグルがロボットを開発するごく自然な理由)。

 IT企業のオフィスは自然にドラマに溶け込んでいましたが、視聴率で見れば、IT要素満載の安堂ロイドではなく、人と人とのドロドロしたやり取りを前面に打ち出した半沢直樹の圧勝です。安堂ロイドは、荒唐無稽なサイエンスフィクションととらえるべきかもしれませんが、まだまだITは実態に比べて一般視聴者から縁遠い存在なのではないか、と思わされたのも事実です。