半導体の世界も変わりつつあります。枠組みを変えているのはARMです。「『スマートフォンやタブレットの95%がARMを採用』、ARMがカンファレンスで基調講演」を読んで、改めて感じました。

 もっともほとんどのスマートフォンやタブレットがARMアーキテクチャーのCPUを使っているというのは今に始まった話ではありません。IoT(インターネット・オブ・シングス)、さらにはサーバー分野で攻勢が始まったように見えるからです。

 特に気になるのはサーバー分野の動向です。パソコンで広まったインテル製CPUは現在、サーバー市場をほぼ支配していますが、数年後には、全く違う光景が見えているかもしれません。

 ARMを使ったサーバーというと、ニッチで処理性能が低いという印象がある方も多いでしょうが、当初はインテル製品もメインフレームやUNIXサーバー向け製品に劣っていました。20年ほど前は、「インテル製品やWindowsで基幹業務を処理している」と言っても信じない人が多かったのです。

 「イノベーションのジレンマ」という言葉があります。サーバーの世界でも、これが起こる可能性がある気がしています。