IPv6を詳細に解説した技術書。2005年に初版が出ており、今回はその改訂版である。アドレス長をIPv4の32ビットから128ビットへと拡大し、アドレス枯渇問題へ対応するというIPv6の基本的な位置付けは変わらない。ただ、IPv6の仕様の改善は日々続いており、以前の仕様との違いも目立ってきた。そうした古い情報を更新したのが、この改訂版だ。

 基本的な構成は初版から大きくは変わっていない。「IPv6概論」「IPv6プロトコルの基本」「近隣探索とアドレス自動生成」「リンク層とIPv6」「ルーティング」「IPv6拡張機能」「IPv6のアプリケーション」「IPv6プログラミング」「IPv4との相互接続」─といった章立てとなっている。特に、IPv6アドレスの種類と割り当て方法、近隣探索、リカーシブDNSサーバー、IPv4との相互接続の仕組みなどが大きく変わっている。IPv6の“新常識”を確認しておくのに便利な1冊だ。

マスタリングTCP/IP IPv6編 第2版


マスタリングTCP/IP IPv6編 第2版
志田 智/小林 直行/鈴木 暢/井上 博之/黒木 秀和/矢野 ミチル 著
オーム社発行
3570円(税込)