日立製作所の情報・通信システム事業戦略を聞いてきました。2015年度に売上高で2兆1000億円、営業利益率で10%という目標を掲げたことが印象に残っています。

 2013年度の売上高、営業利益の見通しはそれぞれ1兆8600円と6.5%ですから、ハードルはかなり高そうです。営業利益率で10%を実現するためには、過去最高額となる2100億円の営業利益が必要になります。説明会でも質問が集中しましたが、情報・通信システム社の齊藤裕社長は「夢ではない」と明言しました。

 カギになりそうなのはサービス事業の強化ですが、気になったのが不採算案件です。上期決算が減益になったNECやNTTデータ同様、日立も制御しきれていません(関連記事:「NEC、受注は想定上回るも減益、下期挽回に期待」、「NTTデータ、不採算案件の発生で通期は下方修正」)。国内でのシステム開発事業を高収益化させるため、プロジェクトマネジメント強化などの策を挙げていましたが、「いつか聞いた話」という印象はぬぐえません。

 Hitachi Smart Transformation Project(スマトラ)によるコスト削減、公共機関による大型プロジェクトなど利益底上げに寄与しそうな要素はありますが、不採算案件の制御が10%の実現には欠かせないはずです。