歴史的に、機械・コンピューターは人間を助け、人類の繁栄に寄与してきた。最近、人間が「主」であり、機械・コンピューターが「従」であった関係に異変が起きている。機械・コンピューターが人々の仕事を奪い、人間の最後の砦であったはずの「プロ・職人の勘所」がビッグデータによって無力化しようとしている。経営情報学会会長で早稲田大学ビジネススクール教授の平野雅章氏が、人間と機械・コンピューターとの関係を占う名著を紹介しつつ、経営的視点に立って、人間主体の企業社会を構築するヒントを提供する。連載の1回目は、世の中に衝撃を与えた『機械との競争』(エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー共著)を取り上げる。