ITオンチの経営トップと、事業センスの無いCIO。ツートップの距離を縮めるのはなかなか難しい。元ソニー社長の安藤氏と、元ソニーCIO長谷島氏の対談から、トップとCIOのパートナーシップのあり方を考えてみる。

安藤国威ソニー生命保険名誉会長。東京大学経済学部卒業後、1969年ソニー入社。 1990年、ソニー・エンジニアリング・アンド・マニュファクチャリング・オブ・アメリカ(SEMA)社長に就任。1996年、インフォメーションテクノロジー(IT)カンパニ-プレジデント就任。2000年6月 、ソニー取締役代表執行役社長に就任。2007年よりソニー生命保険取締役会長。 2011年より現職。写真:村田和聡
安藤国威ソニー生命保険名誉会長
東京大学経済学部卒業後、1969年ソニー入社。 1990年、ソニー・エンジニアリング・アンド・マニュファクチャリング・オブ・アメリカ(SEMA)社長に就任。1996年、インフォメーションテクノロジー(IT)カンパニ-プレジデント就任。2000年6月 、ソニー取締役代表執行役社長に就任。2007年よりソニー生命保険取締役会長。 2011年より現職。写真:村田和聡
[画像のクリックで拡大表示]

長谷島 お久しぶりです。

安藤 お久しぶりです。元気そうだね。

 長谷島さんと最初に仕事をしたのは、1989年に米国で製造会社を再編する時だったよね。その後、1996年にパソコンの「VAIO」を中核としたIT事業を立ち上げる際もチームに加わってもらい、僕の社長在任中に本社に来てもらいCIOになっていただきました。

長谷島 今日安藤さんにご登場いただいた理由なんですが、今ITをやっている人たちは世の中にごまんといるんですね。世界中に3000万人とか、今後5000万人になるとか言われているわけですけれども、特に企業内でシステムをやっている人たちが、あまり幸せじゃないんですね。バックオフィス系の役割ばかりを担わされて、経営陣からは「高いから安くしろ」というような話ばかりをされる。