ITオンチの経営トップと、事業センスの無いCIO。ツートップの距離を縮めるのはなかなか難しい。元ソニー社長の安藤氏と、元ソニーCIO長谷島氏の対談から、トップとCIOのパートナーシップのあり方を考えてみる。
長谷島 お久しぶりです。
安藤 お久しぶりです。元気そうだね。
長谷島さんと最初に仕事をしたのは、1989年に米国で製造会社を再編する時だったよね。その後、1996年にパソコンの「VAIO」を中核としたIT事業を立ち上げる際もチームに加わってもらい、僕の社長在任中に本社に来てもらいCIOになっていただきました。
長谷島 今日安藤さんにご登場いただいた理由なんですが、今ITをやっている人たちは世の中にごまんといるんですね。世界中に3000万人とか、今後5000万人になるとか言われているわけですけれども、特に企業内でシステムをやっている人たちが、あまり幸せじゃないんですね。バックオフィス系の役割ばかりを担わされて、経営陣からは「高いから安くしろ」というような話ばかりをされる。