企業においては、Windows XPから新しいOS環境への移行は、来年の春に向けて着々と進行中のようだ。なにしろ、わかっていて放置し、何かあったら業務そのものが止まってしまう可能性もあれば、場合によっては、コンプライアンス的な問題につながることだってあるのだから、システム管理者の責任は重い。これは、技術的な問題のみならず、管理職の説得や、他部門の根回し、さらには、予算の確保といったことを含めてのことなので、たいへんなご苦労だと思われる。
企業内パソコンに対して、個人や家庭で使われているパソコンには、まだまだWindows XPが数多く残っているのだそうで、Microsoftとしては、そこを何とかしなければならない(図1)。パーソナルユースということで、ユーザーはのんびり構えていて、とにかく年賀状のシーズンだから、そこでトラブルがあってもつまらないので、移行するにしても年があけてからと、悠長なことを言っているかもしれない。
あるいは、Windows XPのサポートが終了してしまうことさえ知らなかったり、それどころか、サポートの終了は、保証期間が終わるくらいのものだと思っていて、まさか、自分のパソコンが踏み台になって、他の人のパソコンを攻撃するようなことになるなど、ゆめゆめ思っていないということもある。
ここは一つ、ボランティア精神を発揮しよう!
こうしたユーザーを責めるわけにはいかない。でも、めんどうだし、仕事にはまったく関係がなくても、身の回りにそんなパソコンを見つけたら、ここはひとつ、サポート終了というのは何を意味するのか、そして、それを放置することで、どんな問題が発生するのかを、丁寧に説明してほしい。それを怠って、最終的に被害を受けるのは、自分たちかもしれないからだ。
組織の中で、Windows XPからの移行について奔走しているのであれば、実家や友人、親戚といった自分の身の回りも改めて見回してみよう。まだまだたくさんXPが残っているはずだ。そのXPをどうすれば、新しい環境に移行することができるのか。そのときパーソナルユーザーは、いったい何に困るのか。それらを注意深く観察すれば、企業内における最善の策を考えるヒントにもなるんじゃないだろうか。
Windows XP終了まであと20週。
フリーランスライター