5GHz帯のチャネルでも同じ実験を行った。日本では5GHz帯で19チャネルを使用でき、これらはW52、W53、W56と呼ばれる3つのグループに分けられている。よく用いられるのはW52である。W53やW56は気象レーダーなどとの共存を条件に利用が認められた経緯があるためだ。TPCDFSという機能の実装が必須になっているため、W52に比べ使いづらいとされている。

 実験方法は最初の2.4GHz帯の実験と同じ。違いは3台のAPに設定したチャネルがW52の36/40/44chという点だけだ。

 まずiPhoneの結果から見ていこう(図3-1)。KDDIのiPhoneは、基本的には36chを優先すると考えられる。一方でソフトバンクのiPhoneは、40chや44chを選択することもあった。同じiPhoneでもKDDIとソフトバンクとで挙動が異なるように見えるが、その原因は不明である

図3-1●5GHz帯の36ch、40ch、44chなら、最初はどれにつなぎにいくか
図3-1●5GHz帯の36ch、40ch、44chなら、最初はどれにつなぎにいくか
テスト方法は2.4GHz帯と同様。それぞれのAPに設定するチャネルを変更し、10回ずつテストを行った。
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 Androidを搭載する3機種は、バラつきはあるものの、APに設定した3つのチャネルを全30回のテスト中で少なくとも1回は接続先に選んでいる。ここから、明示的なチャネルに対する依存性は見られなかったといえる。2.4GHz帯の検証では1chしか選ばなかったXperiaも、5GHzのW52では3つのチャネルを選択しており、周波数帯による振る舞いの違いが顕著に表れた。