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コーチング2:質問のための枠組みを使ってみる

2013/11/12
田中 淳子=グローバル ナレッジ ネットワーク (筆者執筆記事一覧

 前回も触れたが、コーチングとは「答えは相手の中にある」という前提のもと、相手が持つ潜在的な知識や能力、スキルなどを引き出し、実務への応用を手助けするコミュニケーション手法を指す。

 相手に指示したり命令したりする指示型と違い、一つひとつ質問して、相手に考えさせていく。このため、より自律・自立した人材を育成できるという利点がコーチングにはある。近年注目を集めているのはこのためだ

自分自身の答えをつい押し付けてしまう

 しかし、コーチングの有効性を理解していたとしても、実践するのはなかなか難しい。「あなたはどう思う?」と質問し、それに対する若手の答えを聴いたとたんに、その答えを否定してしまうことが少なくないのである。

 たとえば、若手が「こういう設計にしようと思います」と言うと、「なぜそんなやり方をするの?それでは効率が悪いじゃないか」などと、頭ごなしに否定してしまったりする。若手が黙り込むと、「その程度しか考えられないのか。まだ任せられないなぁ」などと、ため息をついたりする。自分なりに考えた結果を上司や先輩に全否定されたら、若手は萎縮してしまうに違いない。

 上司や先輩がコーチングする際に、自分の考えを持ってしまうのは仕方ない。たいていのことは自分でも経験があり、「こうすればよい」と自分なりの答えを思い付いてしまうものだからだ。

 しかし、自身の答えをアドバイスしたからといって、若手がそれを受け入れるとは限らない。何より「自分で考えて自分で実行に移す」という主体性の芽を摘んでしまうのがよろしくない。

 答えを若手に押し付けてしまうという例をもう一つ挙げてみたい。入社3年目の若手エンジニアに、上司が「新入社員のOJT担当になってくれないか」と打診した。ところがその若手は、「後輩を教える自信はないし、そんなノウハウも持っていない。できれば引き受けたくない」と腰が引けていた。

 そこで上司は、「新人だった頃、先輩からいろいろ習ったじゃないか。同じことを君もやってみたら?」「教えるべき項目を他の先輩に教えてもらったら?」と、自分の考えをアドバイスとして伝えていったという。

 これでは、若手は追い詰められてしまい、上司に言われたからやる、という姿勢になってしまう可能性がある。課題があればその解決策を自分で考えられるよう支援するのが上司の役目である。

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